毛の仕組みについて
毛は、大きく分けると表皮から上の部分を「毛幹」、表皮より下の「毛根」に分けられます。毛根部の一番下のふくらんだ部分を「毛球」といい、この毛球の中にある毛母細胞が栄養を取り込んで、毛を成長させていく仕組みになっています。
この毛母細胞に栄養を届けるのが、毛球の先端部にある「毛乳頭」です。毛乳頭には、毛を成長させる栄養分を運ぶための毛細血管が多く存在しています。
「毛を抜く」ことによって、毛そのものは抜いた直後なくなりますが、毛をつくるもととなる毛母細胞や毛乳頭は残っているままなので、やがて毛がまた作り出され、生えてくるのです。
毛の生え変わるサイクルについて
毛には毛周期といって、毛が生え変わる一定期間のサイクルがあります。
毛が成長する時期(成長期)、毛の成長が止まっている時期(退行期)、毛が抜け落ちる時期(休止期)と分かれていて、それぞれの毛はこの周期に沿って発毛と脱毛を繰り返しています。
医療レーザー脱毛は毛乳頭の黒い色(メラニン色素)に反応し破壊させ、生えている毛を確実になくすため、この毛乳頭などに効率よくレーザーを照射させるよう、毛周期に合わせたレーザー脱毛をおこなっていきます。
成長期
毛母細胞が分裂を繰り返す盛んな時期。毛が成長する期間。
⇒ 毛乳頭などにダメージを与えやすく、レーザー照射に最適な状態。
退行期
毛の成長が止まり、毛が抜けるまでの期間。
⇒ 毛根から毛が離れている状態のためレーザー照射が反応しない状態。
休止期
毛が抜け、毛母細胞の活動が止まる。次の成長を始めるまでのスタンバイ期間。
⇒ 細胞分裂が活発ではないので、レーザー照射をしても反応しない状態。
脱毛が1度で終わらない理由
医療レーザー脱毛を受診いただく患者さまから「脱毛にはどのくらいの回数が必要か」というご質問をよくいただきます。
毛には毛周期があり、そのタイミングに合わせて脱毛をおこなわないと無駄に回数がかかってしまいますが、逆に毛周期に合わせれば一度で脱毛が完了するということでもありません。私たちが目に見えている成長期 の毛(皮膚の表面上に出ている毛)は、全体の毛の約30%といわれています。これは生えている部位や毛量の個人差により変わってきますが、それぞれの毛がバラバラの毛周期のうえで生え変わっているためです。レーザー照射に適した期間(成長期)に1度でレーザー反応するのは全体の一部なので、そのときにレーザー反応しなかった毛(退行期や休止期中の毛)が成長期になるのを待ち、2度目は1度目に反応しなかった毛にレーザーの照射を行っていきます。
これを複数回繰り返す必要があるので、脱毛には回数がかかってしまうのです。
また、休止期の毛が生えるタイミングを待って次回の照射をしなければならないため、例えばワキの場合は毛周期約1.5~2ヶ月に1度のペースで脱毛をおこなうこととなります。
脱毛は部位によって回数や毛周期が変わりますが、およそ1年前後で脱毛が完了します。